実父の涙

2018.12.13 Thursday

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    「父の涙」

     

     

    父と母は今年の11月に結婚して50年を迎えた

    いろんな長い永い道を歩んできたことだろう

    2人の出会いは母が務めていた職場の中にある床屋で父が

    働いていた時 恋におちた

    大恋愛だった 母の父に猛反対されたが

    2人の愛は そんなもんじゃなかったようで・・・。

     

    爺ちゃんの負け・・・。

     

     

    結婚当時は お金もなく小さなお菓子屋さんの2階で

    暮らしていたという

    兄が生まれ

    何とかお菓子屋さんの2階ではない場所を借りれるまでになった二人は

    小さな住宅へ移り住んだ

     

    それからわたしが生まれた。

     

     

     

    母はわたしが保育園のころ理容学校へ行き

    免許を取得し

    小学校のころ車の免許を取得した。

     

    お休みは日曜日だった

    父は理容の組合に入らず

    こどもに合わせて日曜日にこだわってくれ

    いろんなところへ

    遊びにいったり

    休日を過ごした

     

    理容組合の人に組合に入らない人には

    材料はおろさせないと意地悪をされたこともあったけど

    父は負けなかった。

     

    兄もわたしもたっぷり愛情をもらい育った

     

    この50年 私たちの知らない苦悩もあっただろうが

    父の落ち込んでいる顔をわたしは一度もみていないし

    涙を流したこともない

     

    いつも笑顔で笑わせてくれた

     

     

    そんな父が 涙をながしたと 母からの電話。

     

     

    父の両親がなくなったときも 兄が重い病気をした時も わたしが嫁ぐときもなかなかった父が

    泣いた?

     

    先日 大好きなカラオケを披露する日があった

    結婚50年ということで

    司会の方が読み上げたことばに

     

    この50年のことが頭をよぎり

    涙が流れたのだという。

     

    その話を聞いて

    わたしもまた涙が流れた。

     

     

     

    両親のように笑顔の絶えない そんな家庭を作りたいと思い

    わたしも結婚をした。

     

    まだまだぜんぜん追いつかないし

    追い付けないけど

     

     

    2人の娘に生まれて

    本当に幸せ。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

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